在留の条件(在留資格)とは

外国人が日本に在留する場合、日本への上陸、在留許可の際取得した在留資格で在留することが原則で、それぞれの在留資格に対応する活動を行うことができます。

外国人が在留資格の決定を受けるには、日本での活動が在留資格に対応する活動として定められている活動の類型に属することが必要で、在留資格の更新も、外国人が日本で行っている活動が在留資格に対応する活動に該当することが条件となってます。

在留期間は在留資格と同時に決定され、外国人は在留期間中、在留資格に基づいて在留できます。在留期間は更新でき、在留資格は変更が可能です。

在留資格が取り消される場合

①上陸や更新の申請の際に偽変造された文書や資料を提出したり,申請書に偽りの記載をしたり,偽りの申立てをすることによって許可を受けた場合

②正当な理由もなく許可された 活動を次の期間行わないで在留している場合

  • 「技術」「技能・人文知識・国際業務」「留学」「家族滞在」等の活動を3ヶ月以上行ってない場合
  • 「日本人の配偶者等」(日本人の子及び特別養子を除く。)又は「永住者の配偶者等」(永住者等の子として本邦で出生した者を除く。)が,その配偶者としての活動を継続して6か月以上行っていない場合

③中長期在留者が住居地の下記の届出を行わない場合又は虚偽の届出をした場合

  • 正当な理由なく、上陸の許可や在留資格の変更許可等により新たに中長期在留者が,90日以内に法務大臣に対し住居地の届出をしない場合
  • 正当な理由なく、中長期在留者が,法務大臣に届け出た住居地から退去した日から90日以内に,法務大臣に新しい住居地の届出をしない場合
  • 中長期在留者が、法務大臣に虚偽の住居地を届け出た場合

在留資格取消の手続き

在留資格取消の通知は、在留資格取消通知書の送達によって行われます。送達は取消しの対象者の住居地に対する送付又は当該外国人本人に直接交付する方法によって行われます。

地方入国管理局への出頭が通知されたとき、病気等の正当な理由がなく出頭しなかった場合には、意見の聴取を行わずに在留資格が取り消されることがあるので、指定された日に出頭できない場合は事前に地方入国管理局に連絡する必要があります。

在留資格の取消しをする場合は、あらかじめ在留資格の取消しの対象となる外国人から,入国審査官が意見を聴取することとなっており,その際意見を述べ,証拠を提出し,又は資料の閲覧を求めることができます。また,意見の聴取は代理人が,本人に代わって意見の聴取に参加することができるよう求めることもできます。

代理人として意見聴取手続きに参加できるのは、未成年者の親権者,後見人等の法定代理人のほか,取消しの対象者が代理人として委任した弁護士などです。

在留資格の取消しは、現に有する在留資格が取り消されます。取消は発生時点に遡りません。取消に際しては、30日を超えない範囲で、外国人の出国に必要な期間が指定されます。

不正手段等の行使に悪質性が高い場合は、出国に必要な期間の指定を受けずに在留資格を取り消され、直ちに退去強制手続きが執られます。また、出国準備期間を過ぎて日本に在留した場合も退去強制事由に該当することとなります。

取消しをうけない正当な理由とは

就労系の在留資格のある外国人がその在留資格に係る活動を継続して3か月以上行っていない場合でも,その活動を行わないで在留していることについて「正当な理由」があるときは,在留資格の取消しの対象とはなりません。

「正当な理由」の有無については,個別具体的に判断することとなりますが,例えば,次のようなケースについては,「正当な理由」があるものとして在留資格の取消しの対象とはならない場合があります。

  •  稼働先を退職後,再就職先を探すために会社訪問をするなど具体的な就職活動を行っていると認められる場合
  •  在籍していた教育機関が閉校した後,他の教育機関に入学するために必要な手続を進めている場合
  •  病気治療のため長期間の入院が必要でやむを得ず教育機関を休学している者が,退院後は復学する意思を有している場合
  •  専修学校を卒業した留学生が本邦の大学への入学が決定している場合

身分系の在留資格のある外国人の配偶者が、その配偶者としての活動を継続して6か月以上行っていない場合でも,その活動を行わないで在留していることについて「正当な理由」があるときは,在留資格の取消しの対象とはなりません。

「正当な理由」の有無については,個別具体的に判断することとなりますが,例えば,次のようなケースについては,「正当な理由」があるものとして在留資格の取消しの対象とはならない場合があります。

  •  配偶者からの暴力(いわゆるDV(ドメスティック・バイオレンス))を理由として,一時的に避難又は保護を必要としている場合 
  • 子供の養育等やむを得ない事情のために配偶者と別居して生活しているが生計を一にしている場合 
  • 本国の親族の傷病等の理由により,再入国許可(みなし再入国許可を含む。)による長期間の出国をしている場合
  •  離婚調停又は離婚訴訟中の場合

上陸の許可若しくは在留資格の変更許可等により新たに中長期在留者となった者は,当該許可を受けてから90日以内に法務大臣に対し住居地の届出しなければなりません。又、中長期在留者が,法務大臣に届け出た住居地から退去した日から90日以内に,法務大臣に新しい住居地の届出をする必要があります。

中長期在留者の方が,住居地の届出をしない場合、在留資格を取り消される場合がありますが、「正当な理由」があるときは,在留資格の取消しの対象とはなりません。

「正当な理由」の有無については,個別具体的に判断することとなりますが,例えば,次のようなケースについては,「正当な理由」があるものとして在留資格の取消しの対象とはならない場合があります。

  •  勤めていた会社の急な倒産やいわゆる派遣切り等により住居を失い,経済的困窮によって新たな住居地を定めていない場合 
  • 配偶者からの暴力(いわゆるDV(ドメスティック・バイオレンス))を理由として避難又は保護を必要としている場合 
  • 病気治療のため医療機関に入院している等,医療上のやむを得ない事情が認められ,本人に代わって届出を行うべき者がいない場合 
  • 転居後急な出張により再入国出国した場合等,再入国許可(みなし再入国許可を含む。)による出国中である場合 
  • 頻繁な出張を繰り返して1回当たりの本邦滞在期間が短いもの等,在留活動の性質上住居地の設定をしていない場合